
失礼のないように
はじめに:せっかく送るなら、好印象に
――「丁寧すぎ」でも「なれなれしすぎ」でもない、ちょうどいいバランスって?
先輩や会社の上司、さまざまな恩師(学校の先生やスポーツの監督)など、「目上の人に誕生日メッセージを送りたいけど、どんな言葉がいいのか分からない…」という悩み、ありますよね。
いくら目上とは言っても、あまり堅すぎるメッセージは冷たく感じるでしょうし、「どこかの例文集から抜き出して書いたのかな」といった、よそよそしい印象を与えてしまいます。
かといって、カジュアルすぎても失礼に見えるかも。せっかくメッセージを送るなら、失礼ではなくてちゃんと気持ちが伝わる、あたたかい一言にしたいところです。
このコラムでは、マナーを守りつつも、「あなたらしさ」や「親愛の気持ち」が伝わるコツと、すぐ使える例文をご紹介します。
最低限おさえておきたいマナー
敬語は基本。でも丁寧すぎるとよそよそしい印象に
具体的には「お誕生日おめでとうございます」「HAPPY BIRTHDAY !!」などはOKですが、「誕生日オメデトー!」は避けたほうがいいでしょう。逆に「お誕生日を謹んでお祝い申し上げます」など、あまりに格式ばった表現は、かえって距離を感じさせることもあります。
“感謝や敬意”を一言添えると印象アップ
- 「日頃のご指導に感謝しております」
- 「いつもお声をかけていただきありがとうございます」
など、相手との関係性が伝わる一言を入れると◎。
時間帯に注意(LINEやメールは昼間がベター)
早朝や深夜の送信は避け、昼間からの適度な時間帯を選ぶと安心です。遅くとも20時ごろまでには送りたいところです。夕方以降になる場合は、「遅くなりました」のひと言を添えて。
手書きは、次が下手でも全然OK
手書きのメッセージカードを添えるときに、字が上手に書けないことを心配しがちです。しかし、受け取る側から見れば、文字のうまい下手は、さほど気になりません。むしろ、あまり上手とは言えない筆跡でも、ゆっくり丁寧に書こうとしてくれたんだなということが伝われば、それが一番気持ちがこもったメッセージになります。
大事なことは、下手でもいいから、ゆっくり丁寧に書くことです。
気持ちが伝わる“+α”のひと工夫
定型文だけでは「コピペ感」が出てしまいがち。以下のような“あなたの言葉”を少し加えることで、メッセージにぐっと親しみが出ます。
- 最近の会話や出来事に触れる
例:「先日のランチでのお話、今でも印象に残っています」 - 感謝の気持ちを伝える
例:「○○さんの存在にいつも支えられています」 - 未来への願いを添える
例:「これからもお仕事をご一緒させていただきたいと願っております」
シーン別・おすすめ例文
大学時代の恩師に送る例文(メール・手紙でもOK)
〇〇先生、お誕生日おめでとうございます。
先生のもとで学んだ日々を、今も仕事の中で思い出しています。
ご健康とご活躍を、心よりお祈りしております。
またお会いできる日を楽しみにしています!
年の近い先輩に送る例文(ややカジュアルな文面)
○○さん、お誕生日おめでとうございます!
いつも優しく接してくださって、本当にありがとうございます。
素敵な一年になりますように。これからもよろしくお願いします!
上司に送るLINEやメール例(丁寧×親しみ)
○○部長、お誕生日おめでとうございます!
いつも温かくご指導いただき、心より感謝しております。
健やかで充実した一年となりますよう、お祈り申し上げます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
取引先に送るメール例(ビジネス文)
〇〇株式会社
△△様お誕生日おめでとうございます。
日頃より格別のお引き立てを賜り、心より御礼申し上げます。
貴社のますますのご発展と、△△様のご健康・ご多幸をお祈り申し上げます。今後とも変わらぬご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
やってしまいがちなNGパターン
NGメッセージ | なぜダメ? |
---|---|
「おめでとう!また飲みに連れて行ってください!」 | なれなれしすぎる印象に |
「年を取っても元気でいてくださいね!」 | 目上に“年齢いじり”は避けるべき |
「これからも部長にガンガン頼ります!」 | 軽薄な言葉は不快感を与えることも |
この表で分かるように、砕けた表現は文字にするとけっこうカジュアルな印象を与えてしまうもの。関係性や相手の性格に応じて調整が必要です。
おわりに
目上の人への誕生日メッセージは、ちょっと緊張するかもしれません。でも、形式だけにとらわれず、あなたなりの言葉を少し添えるだけで、ぐっと印象がよくなります。
最後に、一番大事なことは、多少ぎくしゃくしたメッセージであったとしても、あなたから誕生日のお祝いメッセージを受け取ることは、目上の人にとって、とても嬉しいことだということを忘れないでください。
つまり、もっとも大切なことは、とにかく出すこと。そうでないとあなたの気持ちは伝わりません。
相手との距離感を大切にしながら、敬意と親しみのこもったメッセージを届けてみてくださいね。